前田 秀明低温工学・超電導学会フェロー

氏名前田 秀明
専門分野・
研究テーマ
超電導マグネットテクノロジー
生い立ち父親もエンジニアで、北九州、東京、新潟、横浜と転勤を繰り返しました。故郷という言葉には北九州の風景を思い浮かべます。現在は、横浜金沢文庫に住んでいますが、自然が多く良いところです。勤務先は東芝から理研(2002年)さらにJST(2018年)に移りました。この間、一貫して超電導マグネットを研究しています。
低温・超電導の魅力 玉ねぎの皮をむくように、次々と思いもよらない問題が出てくるところが、超電導技術の難しいところであり、楽しいところでもあると思います。超電導は斬新な発想の宝庫であり、ノーベル賞が多いのも肯けます。
学生時代熱中したこと 授業にはあまり熱心ではなかったと思います。学部4年で絶縁材料の研究室に入ってからは、固体物理や量子力学を独学で学びました。古典が好きでよく読みましたが、源氏物語や正法眼蔵(道元)には、深い感銘を受けました。時間ができたら読み通してみたいと思いつつ、未だにかなわないでいます。
所属研究室や恩師について 早稲田大学の矢作研究室で絶縁技術を学び、東芝でも絶縁の研究を続けました。1980年に米国MITに留学し、超電導マグネットの研究を始めました。MITのレベルの高さに圧倒されましたが、新しい知見を生み出す力量には強く魅せられました。恩師の岩佐先生からは、マグネット技術のイロハから、最先端の研究までを学びました。今でも身体に染み込んでいます。その後の東芝や理研での勤務においても、たくさんの素晴らしい上司や同僚に出会えることができて、私は大変幸せであったと思います。
学会・若手研究者への
メッセージ
世の中には、静的な局面もあるが、うねりの大きな動的な局面もあります。後者は危険ではありますが、勇気をもって立ち向かえば、大きなチャンスでもあります。「幸運の女神に後ろ髪はない」という言葉を忘れずに、チャンスをつかんでください。若手研究者の皆さんが、世界と互角に戦い大いに活躍されることを祈っています。