韓国超電導・低温工学会と連携協力覚え書きを交換
隣りの国韓国で昨年,韓国超電導・低温工学会(The Korea Institute of Applied Superconductivity and Cryogenics,KIASC) が韓国科学技術部の社団法人として設立されました。韓国にはそれ以前にも超伝導と低温工学のそれぞれの分野で活発な活動がありましたが,これを統合して超伝導・低温工学を中心とする科学技術の進歩発展をはかることを目的としたものです。産・大・官の研究者および関係機関が参加しています。昨年度山口の学会で KIASC の Hahn 会長を招待し,韓国の低温工学・超伝導技術をご紹介いただいたのは記憶に新しいところです。すでに年に一度(毎年2月に開催)の学会の開催や論文誌の発刊など,活発な学会活動を行っています。
韓国と日本の間には,これまでにも低温工学・超伝導分野において研究交流・学会参加などを通した研究者レベルの,あるいは研究機関レベルでの個別的な協力関係は存在していました。KIASC の設立を機に,この分野でさらに広範かつ組織的な連携・協力を確立していこうということで覚え書きを交換することになりました。覚え書きの概要は以下のようなものです。
- 協力の趣旨 日本の低温工学協会(CAJ)と韓国超電導学会・低温工学会 (KIASC) は,両国における低温工学・超伝導分野の発展のために協力する。
- 協力体制 CAJ と KIASCは,両協会の協力を推進するため,それぞれの協会の会長が指名する委員から構成される合同協力委員会を設置する。
- 協力内容
- 学会発表等 CAJ と KIASC の双方の会員は,それぞれの会員資格で相手方の学会で 講演・口頭発表ができるものとする。学会への参加費等は,発表する学会の会員と同 じ扱いとする。その場合の使用言語は,開催国の言語あるいは英語とする。学会誌への投稿についても同様に扱う。
- その他 CAJ と KIASC は,協力の一環として学会の共催等を含む合同の学会活動ができる。
この覚書の調印式が,都立大における秋の低温工学・超電導学会の初日,11 月 10 日に学会参加者の見守る中で執り行われました。調印式は,和田企画担当理事(金材技研)の司会で,日本側からは関口協会長,荻原学会長が調印に臨みました。KIASC からは Hahn 会長と,国際交流担当の Oh 氏,KERI の Ryu 氏の臨席を賜りました。Hahn 会長,関口会長のそれぞれ挨拶の後,両会長が署名の上,覚書を交換しました。

調印式の後の夕食会で,韓国側から早速合同の学会開催について打診がありました。日本の経済が落ち込んでいる現状でこの種の催しの実行は厳しいものがあります。しかし経済状況の回復を待っていては事は進みません。鉄は熱いうちに打てということで,2001 年韓国で合同の学会を開くことを目標としてとりあえずは合同協力委員会で調整して行くいうことで合意しました。
席上,KIASC から低温工学協会に「環月」と題する掛け軸が贈られました。「青艸画」の銘が入っています。青みがかった満月の下,二人の男が左手に小太鼓(SOGO),右手にバチをもって躍動的に踊っている図柄です。二人のかぶった丸く黒い帽子の頭には長い白の細いリボンがたなびき,これが大きく宙に舞って丸く大きく輪を描いています。これは "SOGONORI" と言われる踊りです。朝鮮後期から始まった韓国伝統民俗芸能の中で農楽がありますが,SOGONORI はそれの一種とか。歌舞伎の鏡獅子にも長い髪を振り回す "髪洗い" があります。"SOGONORI" と "髪洗い" の織りなす環のように,日韓の低温工学・超伝導が共に刺激しあいながら協調の輪を育て,互いに発展して行くことを祈念します。
(企画交流委員長・佐藤 明男)
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