HTS直流コイルの保護技術(3)-20テスラコイルの励磁電圧挙動と熱暴走検知-

Protection technology for high temperature superconducting DC coils (3) - Behavior of excitation voltage and detection of thermal runaway in 20 T coil test -


渡辺 一充, 宇都 達郎, 阿部 格, 大谷 安見, 小柳 圭, 戸坂 泰造, 伊藤 智庸, 来栖 努 (東芝ESS)


Abstract:ターン間を導通させる無絶縁高温超電導コイルは、熱暴走に至るまでに時間的猶予が確保されるため、特性劣化無くコイルを製造出来れば、熱暴走の芽であるフラックスフロー電圧を十分に長い時間で検知し、緩やかに消磁することで熱暴走を回避できると考える。しかし、励磁電圧は誘導電圧、交流損失等の様々な成分を含むため、各成分の挙動を正しく理解する必要がある。そこで、熱暴走の芽を検知し、安全に消磁出来るか、試作した20 Tコイルを用いて熱暴走検知試験を行った。フラックスフロー電圧発生の兆候が得られるまで一定速度で励磁し、検知後は電源の操作で緩やかに消磁を行った。本発表では、その試験結果を報告する。