局所欠陥を含む共巻きREBCOコイルにおける電磁特性

Electromagnetic characteristics of two-tape co-winding REBCO coil with local defect


阿部 徹, Arnaud BADEL, 岡田 達典, 淡路 智 (東北大); 藤田 真司, 土屋 光揮, 飯島 康裕, 大保 雅載 (フジクラ)


Abstract:REBCO線材は高磁場中における臨界電流特性に優れており、30T級無冷媒超伝導マグネットに向けた応用が目指されている。しかし、REBCO線材には欠陥が入りやすいため、線の欠陥の影響を回避するコイル化技術が求められている。そのようなコイル化技術の1つとして、2枚の線材間は無絶縁とし、2枚の周りを絶縁した2枚共巻きによる方法が考案されている。我々はダブルパンケーキコイルの一方のコイルに人為的に局所欠陥を導入した2枚共巻きダブルパンケーキコイルを作製し、その通電特性を評価した。前回はその輸送特性を評価し、2枚共巻きのコイル化技術が局所欠陥の影響の低減に有用であることを報告した。2枚共巻きコイルの電磁特性は単線巻きと異なり、線材面内の遮蔽電流に加えて、2枚の線材間に流れる結合電流由来の不整磁場も考慮する必要がある。実験と計算により発生磁場の時間変化とヒステリシスを調べ、講演では、共巻きダブルパンケーキコイルの電磁的特性について局所欠陥の影響も考慮して議論する。