連続的に曲げ径を変化させたRE-123線材の曲げ歪特性試験

Bending Test of RE-123 Coated Conductor Wound with Continuous Variation of Bending Diameter


西浦 陽平, 上津原 大, 東川 甲平, 井上 昌睦, 木須 隆暢 (九大); 吉積 正晃, 和泉 輝郎 (SRL)


Abstract:希土類系(RE-123)高温超伝導線材は、その良好な高磁界中特性を生かしたコイル応用が大きく期待されている。一方、特に加速器 応用などまで考えた場合、線材は3次元的な曲げも含めて様々な曲げを経験することになり、それらに対して健全な超伝導特性を確保できることを予 め担保しておく必要がある。ただし、一般的な曲げ試験では、各曲げ条件に対応した治具を用意し、その際の臨界電流値の変化を四端子法に よって取得する方法がとられるが、この場合、最も単純なフラットワイズ曲げだけでも、様々な曲げ径の治具が必要となり、その曲げ径も離散 的となるため、上記に柔軟に対応できるような新たな曲げ試験手法を考案することが期待される。そこで本研究では、まずフラットワイズ曲げ を対象として、線材をコイル形状に巻くことで、長手方向位置によって様々な曲げ径(8-24 mm)を連続的に経験させ、その線材に対して臨界電流の長手方向分布を評価することにより、丁度特性の低下が始ま る曲げ径(基板を内側に巻いた場合で16 mm)を1回の測定で解明することに成功した。本研究は、経産省高温超電導コイル基盤技術開発プロジェクト「共通基盤技術の研究開発」による助成を 受けて実施するとともに、日本学術振興会の科研費(24360122)の助成を得て行ったものである。