回転下高感度ねじり振り子実験と固体He超流動と量子渦糸観測用ISSPクライオスタット

ISSP Rotating Cryostat for Torsional Oscillator Study of the Supersolid state and the Vortex State of Solid He


北村 玲 (新潟大); 八木 雅彦 (東大); ROGACKI Krzysztof (Institute of Low Temperature and Structural Research); 久保田 実 (東大)


Abstract:固体状態で而も同時に超流動性を示す「超流動固体状態」は1960年代後半から1970年までに、理論的に「必ず存在する」と予言されて来た。しかしその後40年間様々な国のグループが実験的に見出そうと競って来たが、長年見付からずに来た。状況が一転したのは、2004年1月号のNature誌の記事(E. Kim & M. H. W. Chan, NATURE |VOL 427 | 15 JANUARY 2004 | www.nature.com/nature, P.225; Probable observation of a supersolid helium phase) 以降である。実はその後も現在に至るまで、固体超流動現象及びそれと関連した現象は、未だ解明されて居らず、様々な新しい実験が試みられている。我々のその中で、hcp固体Heの渦液体状態を議論し(Phys. Rev.Lett. Vol.101, 065301 (2008);J Low Temp Phys (2010) 158: 572–577)、更に渦液体状態から超流動固体状態への転移を観測している。また、超流動固体状態で回転下での渦糸の侵入を観測しつつある。本講演は、回転下でも振動のない条件下でいかにしてこれらの観測が可能になったか、と我々のより低温度での実験に着いて低温工学的研究の成果を報告する。