TFA-MOD法YBCOテープ線材を用いた電流リードの開発 (4) − 集合型超電導電流リードの作製とその特性 −

Development of current lead prepared by the TFA-MOD processed YBCO tapes④(Assembled superconducting current lead and into properties)


石井 雄一, 坂井 裕貴, 柴田 和樹, 塩原 敬, 山田 豊, 太刀川 恭治 (東海大); 小泉 勉, 青木 裕治 (昭和電線); 田村 仁, 三戸 利行 (NIFS)


Abstract: TFA-MOD法により作製したYBCOテープ線材を用いた集合型超電導電流リードを試作した。液体窒素中、自己磁場下(@77 K, s .f .)において平均108 Aの臨界電流値を有する50本のテープ線材(幅:5 mm)を臨界電流値が高い順に5本ずつ電流リードユニットに使用した。YBCOテープ線材5本を厚さ1 mmのGFRP板で補強し、両端をCu電極にハンダで接合して、電流リードユニットを10 組作製した。10組の各ユニットでは各素線に電圧を生じること無く、平均460 Aの直流通電(@77 K, s .f .)をすることが出来た。この10組の電流リードユニットを10角型に加工した銅ブロックの外周部に並列に配置させることで、集合型超電導電流リードを作製した。この集合型超電導電流リードの通電試験(@77 K, s .f .)において4000 Aを10分間安定に通電することができ、各ユニットにはYBCO線材に起因する電圧は生じなかった。4300 A付近よりYBCO線材に電圧が生じ始めるが5000 Aの通電ができた。また、本集合型超電導電流リードの77 K-4.2 K間における熱侵入量は465 mWと計算され、通電電流を4000 Aとすると116 mW/kAとなるので、従来のガス冷却型Cu電流リード(1.2 W/kA)と比較した場合においては1/10以下の値である。