ITER中心ソレノイド(CS)コイル用導体の調達準備状況

Procurement status of conductor for ITER Central Solenoid (CS) coil


濱田 一弥, 布谷 嘉彦, 礒野 高明, 辺見 努, 松井 邦浩, 名原 啓博, 河野 勝己, 押切 雅幸, 堤 史明, 宇野 康弘, 小泉 徳潔, 中嶋 秀夫 (原子力機構)


Abstract:ITER中心ソレノイド(CS)コイル用導体は、外形49mm角で中心穴径32.6mmの矩形の金属製保護管(コンジット)内に直径0.8mmのNb3Sn超伝導素線576本と銅素線288本を束ね合せた撚線を収めた構造のケーブル・イン・コンジット導体である。コンジット材料には、日本が開発した低熱収縮特性と低い疲労亀裂進展速度特性を有する高マンガン鋼(JK2LB鋼)を使用する。導体の最大長は約900mである。原子力機構は、ITER計画における日本の極内機関として中心ソレノイド(CS)コイル用導体すべてに関する素線、撚線、コンジットの調達及び導体製作を担当する。導体の合計長さは約44kmであり、製作した導体は米国に送付され、CSコイルに仕上げられ、ITERに組み込まれる。CSコイル用導体の調達を開始するに先立ち、原子力機構は、長さ4mの導体サンプルを製作し、スイスの大型超伝導試験装置(SULTAN)で性能試験を行い、要求特性を満足することを実証する必要がある。講演では、SULTANでの試験結果及びコンジット材料の特性について紹介し、導体調達に至る状況について報告する。