B1-18
最近、核融合用や電力貯蔵用の大型超伝導コイルの通電・励磁試験が行われ、超伝導技術の実用化に向けた取り組みに拍車がかかっている。しかしながら、新たな問題点として、単尺導体試験では予期しなかった時定数の長い結合損失が生じ交流損失が増大することがコイル実験で確認されている。この発生要因は、ケーブルインコンジット導体等の大型撚線導体の撚り乱れによるインダクタンスの違いが素線間を渡る結合電流を生じさせることに起因すると考えられる。撚線内の電流偏流に伴う交流損失の増大について簡単なモデルを用いた解析を行うと共に、2本撚線にインダクタンスの差をつけた試験サンプルを用いた要素試験を行って、電流偏流と交流損失増大の関係を確認する。