概要 E3-24
脳から発する磁気強度は、地球磁場を含めた環境磁気に比べて極めて微弱な低周波パルスで、従来の強磁性体とアルミによって構成するシールド体ではシールド特性が不十分であった。本研究はプラズマ溶射法で作製した、Bi系酸化物2223相皮膜による脳磁気計測用超電導磁気シールド容器について報告する。シールド容器作製法はNi円筒内面(内径650mm,長さ1620mm)にプラズマ溶射によって約700μmの2223相皮膜をを形成した。この溶射したままの2223相皮膜は非晶質を基調とする微細構造となり、超電導特性を消失するが、再結晶化熱処理をすると、超電導特性が回復する。この超電導磁気シールド円筒を、内壁FRP, 外壁ステンレスによる真空断熱容器に格納し、ヘリウムガス循環によって80K以下に冷却した。ヘルムツコイルによる、1Hz,10mGの交流磁気空間内でシールド円筒を入れ円筒内磁場をrf-SQUIDを用いて測定した。軸方向の円筒内は約3x10-4以下の磁場に抑えられており、充分なシールド特性を持つことが明らかになった。