概要 E2-15
酸化物超電導線材を用いた大電流容量導体の構成方法として、我々は矩形断面を持った多芯線を多層に重ね並列導体とし、巻線工程の途中で転位を施すことを提案した。転位により各素線はインダクタンス的に等価になり、電流は均等に流れる。しかし、実際の巻線工程において転位位置が最適位置からずれ、各素線間の電流分布が不均一になる恐れがある。そこで、本研究では転位を施した並列導体において転位位置が最適位置からずれた場合の分流比の影響について定量的考察を行った。その結果、1層コイルでは転位位置が最適位置より数%程度ずれても電流はそれほど大きく偏流しないことがわかった。