概要 D1-12
 高強度ポリエチレン繊維(Dyneema)の延伸倍率を変化せせた試料を作製し、繊維方向の熱伝導率、熱拡散率を10K から260Kの温度範囲で測定した。その結果、熱伝導率、熱拡散率は、機械的特性と同様に延伸倍率の増大とともに増大し、繊維のヤング率Eの平方根にほぼ比例することが明らかになった。熱拡散率から計算されたフォノンの平均自由行程はおよそ60オングストロームであり、繊維内に、推定されたフォノンの平均自由行程とほぼ等しいサイズの特徴的な微細構造が存在すると考えられる。