概要 A3-11
 我々は1Kから0.5Kの温度領域で、液体3Heの沸騰熱伝達特性の測定を行った。この測定は試料である液体3Heを直接排気し冷却することにより、飽和蒸気圧下で行われた。直径7ミリの銅棒を伝熱体としてスタイキャスト1266製の液溜めの底に取り付け、この棒の上部平面を伝熱面とした。伝熱面は1500番のサンドペーパーで仕上げを行った。温度計は伝熱体中にGe抵抗温度計、液体3He中にカーボン抵抗温度計を3つ取り付けた。この3つのカーボン抵抗温度計の内、一番伝熱面に近い温度計の読みを液体の温度として採用した。 伝熱体より段階的に熱流束を印可してゆくとまず非沸騰領域が観測され、やがて突然核沸騰領域に遷移しさらに熱流束を増してゆくと膜沸騰領域に遷移した。ここで非沸騰領域から核沸騰領域に移る遷移は今まで液体3Heでは観測されていなかった。