概要 E1-20
超伝導材料を非破壊的に評価し材料のJc特性を多角的に明らかにしていくことは、今後の工業応用にむけて非常に有益であり、これまでにも幾つかのグループで超伝導材料を非破壊的に評価する試みが行われている。そこで、我々のグループでは我々が作製した様々な形状を持つAg-Bi2223tapeを非破壊的に評価することを目的に、ホール素子を用いた試料表面での磁場分布測定を行った。実験では、感磁面積が0.05mm×0.05mmのマイクロホール素子を用い、液体窒素温度において試料表面での磁場分布を2次元的に測定した。試料内に超伝導コアの形状を反映した電流経路を仮定することによって得られる電磁気学的な計算結果と、実験結果を比較することにより試料を評価した。考察の結果、試料表面の磁場分布測定からAg-Bi2223tapeの平均的なJcだけではなく、Jcの異方性 及び 試料内でのJcの分布についても定量的に議論できることが明らかになり、走査型ホール素子を用いた磁場分布測定が非破壊的に試料を評価できる優れた測定法であることが解った。