A1-20
蓄冷式冷凍機においては、蓄冷器内の熱交換効率(蓄冷器効率)の高効率化は重要な因子である。十分に高い蓄冷器効率を得るためには蓄冷材の比熱が作業ガスであ るヘリウムの比熱よりかなり大きくなければならない。ヘリウムの比熱は、極低温領 域では、急激に増大していて鋭いピークを持っている。そのために極低温領域で比熱 が大きな磁性体が蓄冷材として用いられている。今回の発表ではさらに蓄冷器効率を 上げるために、蓄冷器内に比熱のピークが異なる磁性蓄冷材を詰め込むことによりヘ リウムの比熱に対して、ある温度範囲(4Kから30K)をカバーできるような多層構造 蓄冷器の組み合わせを試みた。   実際には、コンピュータ・シミュレーションにより蓄冷材の組み合わせと混合比 を変えて蓄冷器効率の最適な多層蓄冷器の構造を探した結果について報告する。