概要 A3-7
近年、超流動ヘリウムの工学的応用は宇宙開発の分野におよんでおり、その例としてファウンテンポンプがある。これはポーラスプラグよりも孔の小さなスーパーリークに近い多孔質物質をポンプエレメントとし、その下流側にヒータを取り付けただけの構造を持つ。このポンプの作動原理として常流動成分はポアが小さいため粘性により移動できず、超流動成分は粘性がないためエレメント中を流れるためである。 ここで筆者らはポーラスプラグ中の超流動ヘリウムの流動伝熱特性を調べるために直径が数μの直管をモデルとし数値解析を行った。また基礎式として管摩擦を考慮したエントロピー式を作り、理論面からも計算結果からもこの式の妥当性を証明することができた。 さらに上述のようにエレメント中の常流動成分速度は零とされていたが実際には流れており、その効果を考慮するか否かは系の大きさによることもわかった。詳細は本文を参照されたし。