概要 A2-7
低温用構造物を室温から低温に冷却する場合、構造物の形状や保持の方法に起因する熱収縮による変形の違いにより、歪の大きさやその分布形状が左右される。それらの現象を観察するため、ESPI(電子スペックルパターン干渉法)を用いることにより、ステンレス鋼板を中心とした各種材料の冷却過程の変形挙動が、面内変位の等変位線パターンとして実時間で得られることを前回までの報告で示してきた。試料板を平行平面板として冷却過程での長手方向の歪と温度の分布の変化を得やすくし、それから熱膨張率を得たが、データにバラツキがあった。そのため試料板の観測方向を温度差が少ない短辺方向とし、データの安定性をねらった。しかし、データのバラツキは減少したものの、まだ不十分であった。本報告では、データのバラツキの要因を探るため面外の反りの量を測定し、熱ひずみと熱膨張率の測定値に与える影響を考察する。