概要 A2-6
我々はこれまでに、レーザ加熱式のacカロリメトリ装置と新たな熱拡散率測定法であるCWN法を考案し開発してきた。今回は、同装置と同方法の組み合わせで標準試料を測定し、システムの健全性を評価した。ただし、用いた試料はNISTの提供する熱伝導率の標準試料(SRM1461のステンレススチール)であり、添付されている熱伝導率の値を熱拡散率の値に換算できることが前提となる。今回は、換算に必要となる単位体積あたりの比熱容量を文献からの推定値(±5%の不確定さあり)としたため、最終的な熱拡散率の精度評価は10%程度の範囲内で一致することを確認したに留まった。将来的には比熱容量も高精度に直接実測することで、%オーダーにまで熱拡散率の精度評価を高める予定である。