スクリーン印刷Bi2223厚膜の作製と表面抵抗

 移動体通信の急速な普及により、将来深刻な周波数帯不足が予想される。そこで周波数有効利用のため、低損失で急峻な減衰特性を持つ基地局用マイクロ波フィルタが強く望まれている。この材料に高温超伝導体を用いると、銅などの常伝導金属に比べて極めて低い表面抵抗を持つことから、高温超伝導材料を用いたマイクロ波フィルタの実用化が期待されている。既にY系薄膜材料におけるマイクロ波フィルタ応用に関する研究は盛んに行われており、非常に特性の良いものが報告されているが、実用化を考えた場合、製作コストが高くなるという問題点がある。 そこで我々は、大面積化及びパターン化が容易で、安価に厚膜を作製することが出来るスクリーン印刷法を用いて Bi2223厚膜試料を作製し、誘電体共振法によって表面抵抗の評価を行った。更に試料の作製プロセスを最適化するため、焼結温度を変化させて試料を作製し、作製プロセスと表面抵抗との関係について考察を行った。