高温超電導ケーブル用導体の交流損失

 酸化物超電導電力ケーブルは、都市部へ電力を供給するための将来の電力供給手段として期待されている。液体窒素で冷却されるコンパクトな酸化物超電導ケーブルが実現した場合には、ケーブルの設置コストは非常に低減し、かつ過密化した地下空間を効果的に利用できるものである。コンパクト超電導電力ケーブルでは、交流損失の低減が重要技術となる。そこで、我々は、Bi2223テープをフォーマ上に多数層巻き付けた5m導体を作製して、導体の交流損失を調査した。その結果、各層の電流を均一化することが、導体の交流損失を著しく減少させることを見いだした。さらに、各層の巻線ピッチを調整しインピーダンス調整することで、各層の電流を均一化する方法について検討した。