Y-123単結晶超電導体のピーク効果

 Y-123 単結晶試料において低温から高温にかけてのかなり広い温度領域において臨界電流密度にピークが観測され、その中で75〜80Kの温度範囲においては2つのピークが現れた。またこのピークはBi-2212単結晶試料のピーク効果と異なり、ピークが生じる磁界が温度に依存する。このことから Y-123 のピーク効果は Bi-2212のものと異なるメカニズムで起こっていると考えられる。本研究ではこのようなピーク効果のメカニズムを解明するために、Campbell法を用いてピーク磁界近傍において縦方向弾性相関距離l44と臨界電流密度Jcを測定し、また磁化の緩和から見掛けのピン・ポテンシャルU0*を求め、磁束線の振る舞いについて検討を行う。