往復動式極低温液化ガスポンプのピストン・シリンダライナー間摩擦力の測定 〜液化窒素中での測定〜

 容積型ポンプである往復動ポンプを用いて液体水素の様な極低温液化ガスを高圧で取り出す場合、ピストン・シリンダライナー間に発生する摩擦熱は圧縮室内の液化ガスを気化させ、「ガス圧縮」と呼ばれる吐出不能現象を引き起こす原因になると考えられている。<br>この原因を明らかにするためには摩擦力の定量的な測定が必要となるため、通常シリンダに対して固定されているシリンダライナーを分離し、往復動方向にのみ自由度を持つ「摩擦力測定用浮動シリンダライナー」を新たに開発し、これを実機に取付けて液化窒素中にて実験を行ったところ、この方法により摩擦力の測定が可能であることが解ったのでこれを報告する。