He II中での第二音波疑似ピストン効果による伝熱現象

 臨界点付近の流体においては、その熱拡散率がゼロになるために熱伝達は極めて小さいものと考えられてきた。しかし、微小重力下での実験において、ピストン効果と呼ばれる新たな熱伝達メカニズムが存在し、非常に速い熱伝達現象が起こる事が確認されている。一方、超流動ヘリウム(He II)においては、第二音波と呼ばれる温度波により、熱が波動で伝播するため、閉じた空間中ではピストン効果と類似した熱伝達現象が起こるに違いない。 そこで、それを実証するために数値シミュレーションと超伝導温度センサーを用いた実験を行なった。