キャパシタンス法による超伝導コイルの応力測定

 国際協力によって進められるCERN-LHC計画(高エネルギー・超伝導加速器計画)の中で日本が分担する大口径・高磁場勾配四極超伝導磁石の試作一号機の開発が、現在高エネルギー研で進められている。この磁石では70mmの口径内に240T/mの磁場勾配を発生する為、最高磁場は約10テスラにもなる。このため励磁の際のコイル内での応力変化は著しく、限られた空間に設置可能で正確な応力測定が可能なプローブが必要とされている。本研究では、冷却及び励磁時における四極磁石コイル内での電磁応力分布及びコイル変位を正確に測定する目的で、圧縮応力変化をプローブのキャパシタンス変化に転換して測定する方法をCERNとの協力で開発している。今回はこのプローブの開発および実際の超伝導磁石での測定結果について報告する。