Nb単結晶の磁気熱量効果

 第2種超伝導体の混合状態における磁束線の運動状態を調べることは、超伝導体の機構解明、材料の質的向上、あるいは応用をめ  ざすうえで重要なことである。Nb<100> の混合状態における磁束線の動きを磁気熱量効果の測定により調べた。その結果、以下の事を見いだした。
(I)磁束の侵入により吸熱が起こり、磁束の排除に伴い発熱が起こる(1次転移)。
(II)その潜熱は断続的にHc<SUB>2</SUB>の間で数回おきる。
(III)正の外部磁場から負の外部磁場に変ったときに、内部に残っている正方向の磁束線が完全に排除された後、逆向きの磁束線が入り込むのが観察された。