高温超電導ケーブル導体の交流損失

 4層構造で各層間が絶縁された高温超電導ケーブル導体の交流損失について数値計算を行った。この計算には、高温超電導ケーブル導体の交流通電特性を電気回路に置き換えたモデルを適用した。計算の結果、計算値は住友電工(株)が発表している測定値と良く一致し、このモデルが高温超電導ケーブル導体の交流通電特性を正確にあらわす事が確認された。さらに、このケーブル導体の電流分布の計算結果から、通電電流値がケーブル導体の臨界電流値以下の場合にはほとんどの電流が外層を流れる偏流現象が起きている事が分かった。また、交流損失と高温超電導ケーブル導体を構成している高温超電導線材 のスパイラルピッチの関係について計算したところ、スパイラルピッチが0.5m以下になると交流損失が急激に減少する事が分かった。