三角形または多角形断面の導体のインダクタンス

Inductance for conductors with triangular or polygonal cross-section


冨中 利治 (文科省)


Abstract:低周波での常伝導並列回路の電流分布は抵抗で決まるが,抵抗ゼロの超伝導並列回路の電流分布は,回路のインダクタンスで決まると考えられる.それで,超伝導の導体内の電流分布は,導体を要素に分割して各要素の自己インダクタンス,要素間の相互インダクタンスから,求めることができる.したがって,インダクタンス計算は,古くからある電磁計算ではあるが,検討の余地があり,任意断面の2次元導体の自己,相互インダクタンス計算に適用できる,三角形または多角形断面の長い導体についてのインダクタンスの公式(厳密解)の導出は応用上有用である.既に,自己及び相互インダクタンス(またはその幾何学的平均距離)について複素形式の公式を報告したが,この公式を用いて数値計算を行い,複素形式の公式の整合性の検討について報告する.