Y系超電導線材のレーザースクライビング加工の歩留り向上

Improvement of yielding percentage of laser scribing technique


町 敬人, 田辺 圭一 (SRL)


Abstract:これまでレーザー照射と2段階エッチングという「レーザースクライビング法」によってマルチフィラメント化された線材では,フィラメント間抵抗のばらつき,経時変化が観測された。その原因としてエッチング液成分の残留の可能性が高い。超電導層のエッチング液の成分である硝酸セリウムアンモニウムは潮解性を有し,電気伝導性が潮解の度合いによって変化するためフィラメント間抵抗が不安定になったと考えられる。溝内のエッチング液成分の除去のため,水によるリンス時に超音波を印加し,その後圧縮空気により飛散させるという方法を導入した。また,エッチング液の残留を助長するマスクテープの粘着材の残留を抑えるために,レーザー照射後に界面活性剤による洗浄工程を設けた。その結果,溝内のエッチング残留物が減少することでフィラメント間抵抗が増加し,これまでより加工の歩留りが向上した。以上のような内容について報告する。