Gd系123酸化物超電導バルク体の緻密化と機械的特性に及ぼす影響因子

Densification of Gd123 oxide superconducting bulks and influential factors on mechanical properties


藤本 浩之 (鉄道総研); 村上 明 (弘前大); 手嶋 英一, 森田 充 (新日鐵)


Abstract: 液体窒素温度でも高い臨界電流密度、強い捕捉磁界、さらに強い磁気浮上力を有する希土類系酸化物高温超電導バルク材は、将来の超電導応用機器が期待されている。バルク超電導応用機器の実用化のためには、電磁気的特性はもとより、機械的特性の把握とその向上が非常に重要である。
 一般に、希土類系超電導バルク材は大気中での溶融法で作製されるが、プロセスに起因してバルク体内部に気孔が存在する。気孔は欠陥であり、機械的強度や信頼性向上のためには、何らかの対策が必要である。
 材料作製プロセスの観点からは、例えば、気孔密度の低減が考えられる。最近、酸素中溶融によってSm系、Dy系やGd系の気孔密度を減少させ、機械的強度が改善することが報告されている。
 我々は、これまでに、気孔密度が低い銀添加Gd系バルク体(直径30mm及び46mm)を作製し、従来(標準)材と比較した緻密化の効果を、機械的特性(曲げ強度、ヤング率など)の観点から報告してきた。ここでは、同バルク体の機械的特性評価結果に及ぼす影響因子について、特に微細組織(気孔や銀粒子などの分布状況)の影響を検討した結果を報告する。