協会長 挨拶
低温工学協会会長/福岡工業大学学長
山藤 馨
低温工学協会と低温工学会
社団法人低温工学協会は、1966 年に、極低温を応用する 科学技術の発展を図ることを目的として、設立されました。
その時代には、パワー応用については、金属系の低温超 伝導材料を用いるマグネット技術の開発が主流で、産業と言えそうなのは MRS 用マグネットくらいでした。
しかし、1986 年に、銅酸化物高温超伝導材料が発見され、飛躍的に多くの研究者がその基礎特性の研究と応用技術の開発に参入したこともあり、1987 年に、研究発表の場を提供する目的で、低温工学会が協会内部に設置されました。
環境に優しい超伝導・低温技術の発展と産業化を目指して
半導体技術、バイオ技術、ICT 技術などが民生用産業に発展した歴史をみると、鍵をなす発見・発明からほぼ 30 年程度で、関連産業が発展し始めています。
超伝導・低温技術も、現在は液体窒素温度以下の低温での利用という壁が存在するにもかかわらず、ほぼ順調なペースで進展しつつあり、伝導冷却マグネット技術などの低温技術の発達に伴い、関連産業もあと数年程度で発達し始めそうな兆候がみえてきました。
超伝導・低温技術の最大の利点は、低炭素社会の実現に大きく寄与する製品の開発に優位性をもっていることです。21
世紀最大の課題である地球環境改善に向けてのキーテクノロジーの一つに挙げられている所以です。
金属系低温超伝導や、銅酸化物高温超伝導体材料の他にも、その後、MgB2 や、Fe 系オキシニクタイド高温超伝導材料も発見されましたし、室温の超伝導材料発見に向けての努力も行われています。
しかしながら、20世紀末のバブル崩壊に伴う経済的不況の影響は、超伝導・低温技術の発展にも大きな陰をもたらし、会員数こそほぼ一定のレベルに留まっていますが、企業からの会員数、賛助会員数が大きく減少しているのが現状です。
最近では経済状況もやや改善の傾向がみえてきていることから、できるだけ多くの有能な方々が低温工学協会に参加されて、超伝導・低温技術の進展や関連産業の育成に力をつくされ、豊かで暮らしやすい
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世紀社会の建設に大きな寄与をなされていくことを熱く期待したいと思います。
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